文豪・森鴎外の生涯をたどる
森鴎外(1862年2月17日 – 1922年7月9日)は私の大好きな作家です。
私が子供だった昭和のじぶんは、夏目漱石と森鴎外の2名が文豪と呼ばれ、特に漱石に人気が集まっていましたが、私はその頃から断然鴎外びいきでした。
子供心に、何だか分からない男女の恋の駆け引き、しかも相当後ろ暗くて明るさのない作品ばかり書いている漱石よりも、歴史に取材し、格調高いカッコいい文章を綴る鴎外の方がはるかに魅力的だったのです。
「山椒大夫」、「高瀬舟」、「最後の一句」、「寒山拾得」。
下の写真、ポプラ社の少年向け、ハードカバーの本で何度も胸を躍らせて読みかえしたものです。面白かったなあ。
そういえば、生意気な小学生だった私の行きつけの書店「天牛堺書店」には、各本棚のてっぺん、天井との隙間と言った方が良いでしょう、そこに何とも眩しく鎮座する「鴎外全集」がありました。
上の写真のような立派な箱セットの上にベタっとウン万円の値札が貼られているのを見て、絶望するとともにいつかはこの全集を現金で全冊購入してやるぞー!って息巻いたものです。
あれから数十年。
私の念願はついに叶いました。
憧れの鴎外全集を手に入れたのです。
ただし電子書籍で。。。
おねだん200円Σ(・ω・ノ)ノ!
端末への投資はかかるとはいえ、この値段ですよ。著作権フリーになったこともあるのですが、このお値段で鴎外の素晴らしい作品のすべてが読めるなんて、もう望外の喜びですよ。
たしかに、データとして鴎外を読むなんて、ズシリと重い全集版での読破に比べると、ずいぶん味気ない感じもするのですが、それでこのkindle版を利用しないとしたら、実にもったいない話です。だって、鴎外の素晴らしい作品の数々、特に紙の本ではなかなか手に入りにくい史伝ものまで全て収められているのですから。買わない理由がありません。
私は来る日も来る日もkindleを片手に鴎外の作品を読み耽りました。
そして、かつて樋口一葉の作品にハマった時と同じ感情を抱いたのです。
「よし、鴎外の記念館にも行ってみるぞーっ!」