西遊記の世界 第1回

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日本でも大人気!中国娯楽小説の最高峰

日本人にとって、最もポピュラーな中国文学と言えば何でしょうか?

「史記」、「三国志演義」、「水滸伝」、「金瓶梅」、「阿Q正伝」等々。数えきれないほどの名作が存在し、普及していますが、何といっても影響力の強さから言えば、独断と偏見ですが、「西遊記」ではないか?と思います。

● 西遊記と日本人

「西遊記」が最初に我が国に伝わったのは江戸時代初期と言われ、林羅山や天海が所蔵していたことがわかっています。その後、天保8年(1837年)には『画本西遊全伝』が刊行され、民間に広く読まれるようになりました。

そして、近代以降は様々な翻訳本が刊行され、小説よりも漫画やアニメ、テレビゲームなど子供向けジャンルでスピンオフ展開するようになります。

例えば、週刊少年ジャンプで爆発的な人気を博した「ドラゴンボール」や、若い女性に人気を博した「最遊記」、ギャグマンガの「珍遊記」あたりは、「西遊記」のストーリーとは直接関係はないものの、孫悟空や猪八戒が独自の世界の中で大活躍をするお話です。

映像作品としては、本場中国制作のものもありますが、何といってもわが国では堺正章主演のテレビドラマがあまりに有名です。

このドラマは日本テレビ系列で、第1期が1978年10月1日~1979年4月1日、第2期が1979年11月11日~1980年5月4日に放映されました。折りしも1978年は日中平和友好条約が調印され、中華人民共和国中央広播事業局の協力を受けるなど、まさに局の威信をかけて制作された名ドラマです。

アクションも本格派。グロテスクなCGはリアルで、かつ俳優陣の演技が実に素晴らしい。いかにもやんちゃ者だけど思いやりの深い悟空(堺正章)、思慮深く時に意固地な三蔵法師、油断ならないが憎めない猪八戒(西田敏行・左とん平)、インテリ肌だけど渋い実力者の沙悟浄(岸部シロー)。

彼らが力を合わせ、時に対立したりピンチに遭いながらも旅を続けるストーリーは、多くの少年少女のハートをつかみ、私も小学生の頃は、この作品が平日夕方に再放送されるたびに、テレビにかじりついたことを思い出します。

吉川英治の「三国志」が日本の三国志ブームの礎となったとすれば、おそらく日本の「西遊記」ブームの火付け役はこのドラマではないか、と思っています。

さて、ドラマの話はこのくらいにして、次の回では「西遊記」の様々な翻訳について、紹介して参りたいと思います。

 

 

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