岩波文庫を楽しもう! 第2回

岩波文庫を楽しもう! 第1回

大型書店と岩波文庫

私は連休にはかなりの高確率で大型書店(紀伊国屋書店や丸善・ジュンク堂書店)に行きます。お目当ては、書店の本棚にずらりと並ぶ岩波文庫で、膨大な本の前に立つだけで胸がドキドキします。

地元にも書店は何店舗かあるのですが、岩波文庫は一冊も置いていないため、大型書店に行くことは彼らとの貴重な逢瀬になります(笑)。

さて、皆様ご存じかもしれませんが、岩波書店は強気の買切制度というスタイルを貫いていて、まちの小さな本屋さんが岩波文庫を取り扱うことは難しい、と言われます。本屋さんからすれば、返品のできない岩波の在庫を抱えることは経営上、大きなリスクになるので、敬遠するのは無理のないことです。

最近では岩波書店やAmazon、HMVのサイトを活用すれば、僻地住みでも容易に岩波文庫は手に入るので、かつてのような「岩波難民」は発生しづらくなりましたが、それでも大型書店で膨大な岩波文庫をあれやこれやと立ち読みし、買い漁る楽しみは、オンラインでは味わえない格別の魅力と言えるでしょう。

岩波文庫 ご注文方法のページ

 

揃えたくなる岩波文庫(YouTubeで見つけた素敵なコレクション)

少し前までは、岩波文庫の愛好家なんてそんなにいらっしゃらないのでは?と思っていましたが、YouTubeでいろいろな方のご趣味やお考えを知る機会が増え、私なんて足元にも及ばないほどの「岩波愛」あふれる動画に出会うことができました。

その代表格が、文学YouTuber ちゅんちゅんさんが運営するチャンネルです

https://www.youtube.com/channel/UCeE9krvaHowZbqvYVr8yI4w

ちゅんちゅんさんは、国史学、日本思想史を専門に修められ、かつ三島由紀夫や竹取物語の研究にも熱心に取り組まれています。YouTubeには国文学・児童文学を専攻された奥様も出演され、深みのある「本のはなし」だけでなく。素敵なご夫婦の掛け合いも楽しめる構成になっています。

ちゅんちゅんさんご自身も述べられていますが、このチャンネルで非常に高い再生数を獲得しているのが、岩波文庫に関する動画だそうです。ちゅんちゅんさんの場合、単に新刊や既刊の岩波文庫についてお話しされるのではなく、史料的価値のある「初版本(しかも昭和初期に刊行されたもの!)」をメインに解説されているので、岩波文庫ファンとしてはそれだけでたまりません。

ちゅんちゅんさんの動画はどれを観ても面白いのですが、多くの割合を占める岩波文庫についてのものは、その歴史を知る上でも大変貴重な価値を有します。個人的には、シャーロック・ホームズのシリーズが岩波文庫から出ていたことが大きな衝撃でした。また、上の動画のように、岩波文庫総目録の変遷を辿れるのも、このチャンネルならではの見どころと言えるでしょう。

今後も岩波文庫に関して目を離せない動画が公開されると思いますので、ぜひ「文学YouTuber ちゅんちゅんチャンネル」のチャンネル登録をお勧めします。

ちなみに、ちゅんちゅんさんは〝ラジオトーク〟でも軽妙かつ奥の深い番組を配信しておられますので、こちらもぜひお聞きになってみてください。

日常用が劇場 ちゅんちゅんチャンネル

 

さて、岩波文庫に関する動画配信でもうお一方、紹介したい方がいらっしゃいます。純文学YouTuberつかっちゃん(通称つかつさん)という方です。

純文学YouTuberつかっちゃん【7000冊の古本コレクター】

この方は、岩波文庫コレクターというより、すさまじい本の蒐集家です。動画内でお部屋が映り込みますが、まさに本、本、本! 月に100冊くらい買われることもあるそうです。

また、つかつさんは純文学をこよなく愛され、ご自身で執筆もされるほどですが、なんと平成28年/2016年度文藝賞(河出書房新社)の最終選考に残ったほどの実力者です(結果。町屋良平が受賞)。

そんなつかつさんの岩波に関する動画は、上記のものがおすすめです。カバー有りの比較的新しいものが中心になりますが、よくもまあここまで念入りに蒐集されたもの、と感心してしまいます。なお、つかつさんは岩波文庫総目録を所有しておられ、蒐集したものを黄色の蛍光ペンで塗りつぶしていかれますが、これだけ所有しておられてもまだ余白があり、岩波文庫の歴史と発行アイテム数には恐れ入るばかりです。つかつさんは、何年かかけて全部塗りつぶしたいとの野望をお持ちなので、その日が来るまで配信を追いかけていこうと思います。

私もいつかこのような素晴らしい動画をアップできるよう、今後も岩波文庫の蒐集に精進したいものです。

最後に、今回の私の投稿に快く応じて頂いたちゅんちゅん様、嫁ちゅん様、つかつさんには心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

 

 

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